軟骨の移植手術を何度やっても溶けるので、外科ではまさに「お手上げ」の状態で、外出もままならなくなった。
女性は途方に暮れ、45歳のとき病院で同社を紹介された。そして、本物さながらの「人工鼻」を付けることができた。
「『子供とレストランで食事がしたい』というのが女性の夢でした」と池山社長。鼻が完成した日の夜、女性はさっそく子供を連れて食事に出かけたという。「このときは、私たちもうれしくなって泣きました」
また、ある小学生は先天的に片方の足の指が3本しかなく、友達と一緒にプールで泳ぐことができなかった。
そこで、人工の小指と薬指をつけたタビ状の皮膚を製作し、夢をかなえた。
製作技術者の小澤豊克・企画開発部長は「指1本のために20本を試作しましたが、そうするで私たちの技術はどんどん進歩します。限界はありません」と力を込める。
「自分たちの事業をビジネスではなく、医療と考えています。患者に寄り添う気持ちが基本」と池山社長。