シェールガス革命にわく米国で、鉄鋼や化学メーカーが大きな商機を迎えている。衰退産業とみられていた米国の化学メーカーが復権する動きに合わせ、日本のメーカーは現地での生産体制の強化や買収などに乗り出している。重厚長大産業が元気を取り戻せば、日本経済にも好影響を与えそうだ。
米国事業の拡大
シェールガスの採掘・輸送に使う機材や、ガスを液化して運ぶ液化天然ガス(LNG)船の建造、LNGを利用した発電所建設で使用されるボイラーチューブ…。米国では、さまざまな形で鉄鋼需要が生まれている。シェールガスを採掘する際、地中の圧力に耐えられるシームレスパイプ(継ぎ目のない鋼管)は、日本の大手メーカーが強みを持つ。日本の鉄鋼メーカーは昨秋以降、関連需要を取り込もうと動きを活発化させてきた。
新日鉄住金は昨年10月、中国の鋼管メーカー、WSPホールディングスの子会社から、油井管の熱処理・継手加工などの工場(米テキサス州)を34億円で買収した。2015年度中の稼働を目指す。