日本の全産業に恩恵
一方、米国のシェールガス革命はエネルギー価格高騰に悩む日本に朗報をもたらした。米政府がシェールガスの対日輸出解禁を決め、日本は17年からLNGの形で初めて米国から輸入する。
今年5月には、中部電力と大阪ガスが参画する米フリーポートのLNG計画が認可された。日本は年440万トンを輸入することになりそうだ。同年9月には住友商事が参画する計画も認可され、LNGを東京ガスなどに販売する予定だ。
また、三井物産と三菱商事が参画するLNG輸入計画は認可申請中だ。
米国の天然ガス価格は、日本のLNG輸入価格の4分の1程度と安い。ガスの液化費用や運搬費用を加えても、米産ガスの輸入が実現すれば、日本のLNG調達価格の大幅な値下がりが期待できそうだ。
経済産業省は「ガスの調達価格が下がれば、電気料金の値上げ幅の抑制が期待できる」としており、シェールガスの恩恵が日本の全産業に及ぶことも期待されている。(兼松康)