日本や欧州では一般的に、石油由来のナフサ(粗製ガソリン)から化学製品が作られるが、シリア情勢などもあってナフサ価格は高騰している。
ただ、天然ガスから精製されるエタンの国際価格は下落しており、ナフサとの価格差が広がっている。米国の化学メーカーは、格安なシェールガスを自国で調達できる強みがあり、エチレン工場の建設計画が相次ぐなど、化学メーカーの復権が指摘されている。米国の化学プラント業界が求めているのは、「塩化物や硫化物といった特定の環境に強い鋼管」(新日鉄住金の秦意知郎プラント鋼管室長)だ。
このため、日本の化学メーカーは「コスト面では到底太刀打ちできない」と懸念し、米国での工場建設などを加速させている。クラレはテキサス州に年産4万トン規模のポリビニールアルコール樹脂の工場を200億円かけて建設。信越化学の米国子会社シンテックは、ルイジアナ州で塩ビ樹脂などの生産能力を増強する。約5億ドルの投資を見込み、15年ごろの完成を目指す。