【九州の礎を築いた群像 西鉄編(3)】国際物流 「本社に顔向けいらん。世界で勝負しろ!」 業界のパイオニア 伝統は「攻めの経営」 (7/7ページ)

2013.10.27 22:24

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 とはいえ、国際物流業界は現在、逆風にさらされている。ここ数年の円高により、国内メーカーの輸出が減ったからだ。昨年暮れの安倍政権発足後、円安が進んだが、すでに生産拠点を海外に移したメーカーも多く、輸出取り扱い量はなかなか戻らない。

 にもかかわらず、国際物流グループ(NNR)は、平成24年度の売上高792億円を27年度に1千億円にする強気の目標を掲げる。

 グループを率いる高木には勝算は十分ある。日本と海外の輸送に頼るのではなく、「ベトナムの製品を中国の消費地に送る」など、海外から海外への輸送事業を拡大するわけだ。

 そのために、22年にオランダ、24年にメキシコに海外現地法人を設立し、今後もフランスやオーストラリアなどで次々に発足させる。海外現地法人の売り上げを国際物流グループ全体の6割から7割に増やす方針だという。

 西鉄の国際物流の伝統は「攻め」。高木もそのDNAを受け継いでいる。

 「業界における西鉄の現在の立ち位置には全然満足していません。もっとグローバル化を進めたい。社長も社員も現地の人を採用し、NNRが日本企業だと世界で意識されないようにしたい。意外だと思われがちですが、西鉄は世界企業なんですよ。安心・誠実をモットーにするわが社の中で、私たちはときめきや創造を生み出したい…」

 西鉄国際物流事業本部は、本社の1部門ながら本部機能を東京に置き、社員も独自採用する「異端児」である。だが、近年の西鉄が掲げる「チャレンジ精神」が、もっとも浸透している部門だといえるのではないだろうか。

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