その後、旧カネボウは16年に化粧品事業を分離し、カネボウ化粧品を発足。18年に花王が再び買い手となり、カネボウを完全子会社化した。花王の尾崎元規社長(当時)はカネボウの独立性を尊重すると表明し、人事改革などの課題を「実質的に先送りした」(関係者)経緯がある。
このため、「いまだに花王に対するアレルギーがなくならない」とこぼすカネボウ関係者もおり、両社にはしこりが残っていた。
「もっと早く知りたかった」「本来ならスキントラブルと認識すべきところを病気と認識し、チェックシステムに入らなかった」「製品開発のプロセスで自主基準が甘かった」
白斑問題を受けて、7月に開いた最初の会見で、カネボウの夏坂真澄社長は、数々の悔恨の言葉を口にした。