【開発物語】サントリー酒類「-196℃ ストロングゼロ〈DRY〉」 (2/8ページ)

2014.1.13 05:00

マイナス196℃の液体窒素でレモンを凍らせる(右)。その後、専用機械で丸ごと粉砕してパウダー状(左)にする

マイナス196℃の液体窒素でレモンを凍らせる(右)。その後、専用機械で丸ごと粉砕してパウダー状(左)にする【拡大】

  • 昨年末に放映開始した「ー196℃ストロングゼロ〈DRY〉」の新CM。部下役の男性を連れた天海祐希さんは、食事と良く合う“ドライな飲み口”に満足の表情(サントリー酒類提供)
  • ストロングゼロの開発を担う井島隆信さんと川本憲良さん、神津早希さん(左から)。週1回集まり、試作品や既存品の改良について議論する=川崎市中原区のサントリー商品開発センター

 サントリーのチューハイ開発は、次代の荒波にもまれながら前に進化したといえる。

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 今から10年以上前、若者のビール離れに頭を痛めていた業界各社はチューハイの新商品開発に活路を見いだした。サントリーは2003年、フルーティーで低カロリーな缶チューハイ「カロリ」を投入、若者や女性の取り込みに成功した。

 05年には、極低温の液体窒素で凍結、粉砕した果実を使う「-196℃」を発売。果肉だけでなく果皮のエキスも溶け込んだ“果実の丸ごと感”を前面に打ち出し、さらなる女性層への訴求を図る。

 しかし、08年秋のリーマン・ショックでデフレ志向が強まり「進化の方向性に一大転機が訪れた」(井島さん)。

 飲酒運転への厳罰化で「外飲み」から「家飲み」への流れも加速。また、特定健診・特定保健指導が始まるなど、メタボリック・シンドローム予防の機運が高まり、アルコール飲料にも「機能性」が求められるようになった。

 そんな厳しい環境下でサントリーが放ったのは、マイナス196℃製法の新機軸だった。

 09年発売の「ストロングゼロ」はアルコール分が高めの8%で、かつ糖類ゼロ。「1本でもしっかり酔える機能性チューハイ」(井島さん)として、財布の中身とおなか周りが気になる30~40代男性らの人気をさらった。

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