【開発物語】サントリー酒類「-196℃ ストロングゼロ〈DRY〉」 (3/8ページ)

2014.1.13 05:00

マイナス196℃の液体窒素でレモンを凍らせる(右)。その後、専用機械で丸ごと粉砕してパウダー状(左)にする

マイナス196℃の液体窒素でレモンを凍らせる(右)。その後、専用機械で丸ごと粉砕してパウダー状(左)にする【拡大】

  • 昨年末に放映開始した「ー196℃ストロングゼロ〈DRY〉」の新CM。部下役の男性を連れた天海祐希さんは、食事と良く合う“ドライな飲み口”に満足の表情(サントリー酒類提供)
  • ストロングゼロの開発を担う井島隆信さんと川本憲良さん、神津早希さん(左から)。週1回集まり、試作品や既存品の改良について議論する=川崎市中原区のサントリー商品開発センター

 時代のニーズにはまった「ストロングゼロ」シリーズの販売実績は、発売2年目に1億6000万本(350ミリリットル換算)と前年比55%増、3年目は47%増の2億3500万本とうなぎ上りだった。

 また、働く女性の増加などを背景に、家でお酒を飲む女性がさらに増えつつあった。商機を見いだした開発陣は、チューハイの王道であるかんきつ以外のフレーバーは安易に手を出すべきではない、というそれまでの常識を乗り越え、旬の果物を用いる季節限定商品の開発にも着手した。

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 マイナス196℃製法は、アルコール分60%のリキュールに浸漬することで果皮の味わいも抽出する。それだけに「リアルな果実感を再現できる半面、苦みを爽やかなレベルにとどめる最適な浸漬時間やリキュールの配合に苦労する」と、開発研究担当の川本憲良さん(33)は説明する。

 その解決には、素材ごとに試作を繰り返すほかなかった。試行錯誤を重ね、リンゴやブドウ、モモなど女性が好む果実を使う新商品を送り出した。

 「-196℃ ストロングゼロ〈DRY〉」では、アルコール由来のエタノール臭を消すための新たな工夫がある。マイナス196℃製法の浸漬酒に通常の果汁を加え、炭酸圧のバランスをビール並みに強めたことだ。

 その結果、昨年の「ストロングゼロ」シリーズの販売数は3億5700万本。アルコール分8%超の缶チューハイ市場で、ストロングゼロシリーズのシェアは6割超と圧倒的な強さをみせた。

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