菰田正信・三井不動産社長(野村成次撮影)【拡大】
--景気動向は明るいと
「住宅分譲市場は新築・中古とも活発で、商業施設の売り上げやホテル稼働率も好調だ。円安でアジアの富裕層が都心部のマンションを買うことも増えた。観光で日本の魅力を再発見すれば、住宅や投資用不動産の購入を考えてもらえる」
--東京の再開発は
「日本橋は歴史と文化がある。オフィスだけでなく、美術館もホールも住宅もある人肌の感覚が残る街づくりをしたい。日比谷でも再開発計画がある。(筆頭株主の)帝国ホテルでは近い将来、リニューアルの予定はないが、エリアの中長期的な将来像を考える勉強会は行っている」
--スマートシティー(環境配慮型都市)の展開は
「一般的には電気を賢く使う街というイメージだが、千葉県柏市で進める『柏の葉』プロジェクトの概念はもう少し広い。環境と共生し、新しい産業が起きる活力を生み出したい。パッケージ化してスケールメリットが出れば海外展開も検討する」
--商業施設の新機軸は
「当社は郊外型ショッピングセンターやアウトレットの先駆け。最近はネットショッピングも普及し、安いだけでは来てくれない。旬のテナントを入れたエンターテインメント性のある時間消費型施設を目指す」
--カジノ構想が浮上している
「東京がアジアの主要都市より弱いのがコンベンション機能。1万人クラスの国際会議場がない。一般論として会議に参加した後の娯楽という観点からも、カジノは有力なコンテンツとなりうる」(藤沢志穂子)