暴力団関係者らへの融資問題に揺れたみずほフィナンシャルグループ(FG)は23日、みずほ銀行の佐藤康博頭取が取締役に降格する4月の首脳人事を発表した。みずほFGは17日に社内改革案を金融庁に提出したばかりだが、1週間もたたずに突然のトップ交代を発表した。佐藤氏は記者会見で引責辞任であることを否定したが、場当たり的な印象が際立つ今回の交代劇は、新たな経営体制にも不安を投げかける。
「責任論で(退任を)決めたのではない」
佐藤氏は会見で再三にわたり、頭取退任が引責によるものではないと強調した。だが、今月17日の会見で佐藤氏は「大きなプロジェクトを前に、決めた本人がほうり投げることはない」と意気込みを語り、退任を否定していた。
さらに、昨年9月末の問題発覚から約3カ月半が過ぎ、佐藤氏は節目の会見や、11月に開かれた衆参両院の委員会審議でも、辞任について「考えたこともない」などと重ねて否定してきただけに、今回の経営判断については唐突感が否めない。
一連の暴力団融資問題をめぐっては、みずほFGでは社内処分に対する判断の遅れが目立つ。