昨年10月に最初の業務改善計画を提出したものの、「役員への処分が甘い」との声が上がり、塚本隆史FG会長の退任を発表したのは12月末。世論や政官界からの批判を受けて、処分が後手に回ったとの批判は否めない。
佐藤氏は、金融庁に2度目の業務改善計画を提出した17日にトップ交代を発表できなかった理由として、「17日の段階では(後任の林信秀副頭取)本人の承諾が得られていなかった」と釈明したが、歯切れの悪さはつきまとう。
新たな経営体制で佐藤氏は、みずほFGの社長に専念し、グループ全体の経営改革を指揮する。みずほ銀の経営は林副頭取に一任する形だ。
みずほFGは信頼回復に向け、「委員会設置会社」へ移行や社外取締役の起用など企業統治の強化策を進める。佐藤氏は「トップ交代で覚悟を示し、社員一丸となった取り組みが促進される」と力を込めた。
だが、昨年7月にみずほ銀とみずほコーポレート銀行が合併して「新・みずほ銀行」がスタートし、半年あまりの間で経営体制の変更が続いている。みずほグループ再生への道のりは平坦(へいたん)ではない。(塩原永久)