これは、通常の工程に比べてより小さい氷結晶ができるだけでなく、乳化剤を使わずに脂肪球を凝集させることができる。余分な食品添加物を使わず、ミルクの素材を最大限生かしつつ、なめらかな食感を実現させたのだ。
17年には乳化剤や安定剤を使用しないモウに改良。21年には、使用素材を乳製品、水あめ、砂糖、卵黄、香料の5つに絞った。食品総合研究所第3開発部の副主任研究員、井上恵介氏は「製法を工夫し、乳化剤や安定剤を使わないことで弊社のミルクの素材の良さを味わってもらえる」と長年の研究成果に自信を見せる。
ミルクの濃厚さを深める努力は今も続けられている。昨年6月に実施したリニューアルでは、「モウ 濃厚ミルクバニラ」の乳脂肪分を従来の8.0%から9.0%に引き上げた。「乳脂肪分を高め、余分な香り成分を排除することでミルクの味がより感じられる」(宇田川氏)、「ミルクの味はシンプルだからこそ難しい」(井上氏)。開発チームはさらなる高みを目指す。(鈴木正行)