ドアを開けると、奥の壁伝いに取締役の机が横一直線に並び、中央に高橋社長が陣取る。関係者は「取締役はまるで昔の(テレビ番組の)クイズダービーの回答者のように並んでいて、その前に秘書や経営企画の連中が仕事をしている」と説明する。
次の100年見据え
1月6日には、報道陣とのラウンドテーブル前に高橋社長は本社や国内外の拠点の社員に向け訓示。事前に用意した原稿は読まず、ときに激しい口調で「『どこの部門が悪い』『あいつらが動かないから迷惑だ』など責任転嫁するな。他人はどうでもいい。まず自分が動け」と訴えた。
就任以降、シャープ再建を託された高橋社長は、2期連続の巨額赤字に招いた「過去の経営」と決別する姿勢を明確化。経営危機の原因とされる液晶工場への過剰投資につながった企業風土を「けったいな文化」として否定してきた。