「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」で、洗練されたダイニングキッチンに生まれ変わった東豊中第2団地の室内=大阪府豊中市(上)(ムジ・ネット、都市再生機構提供)。外観は築40年以上の団地(下)だが、安い賃料と広さ、内装の充実で若者から人気を集めている【拡大】
昭和30年に日本住宅公団として発足以来、日本の暮らしのスタンダードを追究してきたURと、「生活美学の専門店」を目指す無印良品が、団地の持つ可能性を生かしつつ、新たな賃貸リノベーションのスタンダードを発信しよう-と、大阪の「新千里西町」(豊中市)、「泉北茶山台二丁」(堺市)、「リバーサイドしろきた」(大阪市)の3団地からリノベーションを始めた。
いずれも昭和40~50年代に供給されたファミリー向けの40平方メートル以上の物件。部屋数の多さや間取り、老朽化した設備などから“時代遅れ”感が強かったが、リノベーションを経た部屋は、「民間の賃貸住宅より安めの家賃なうえ広く、おしゃれ」な造りが人気を呼び、応募倍率は平均6倍とこれまでの倍に。
エレベーターがないため空室が目立っていた4~5階も、若者層から「景色が良い」と、逆に人気物件になり、URは「エレベーター設置も検討したが、リノベーションで課題は解決できると分かった」と胸をなで下ろした。