「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」で、洗練されたダイニングキッチンに生まれ変わった東豊中第2団地の室内=大阪府豊中市(上)(ムジ・ネット、都市再生機構提供)。外観は築40年以上の団地(下)だが、安い賃料と広さ、内装の充実で若者から人気を集めている【拡大】
老朽化・高齢化で空室増え…
昭和30~40年代の高度経済成長期に相次ぎ建設されたUR団地が直面する最大の課題は、老朽化と住民の高齢化だ。特に、エレベーターのない5階建て団地は敬遠され、空き家も目立っている。団地にいかに若者層を呼び込み、活性化させるかが最大のテーマだった。
平成19年、URは本格的な少子高齢化、人口・世帯減少社会の到来にあわせ、平成30年までの「賃貸住宅ストック再生・再編方針」を策定。既存住宅77万戸のうち、まちづくり再生が必要な16万戸で「団地再生」事業を行うとした。ムジ・ネットとのコラボはこの一環だ。
「無印良品の家」注文住宅事業を展開するムジ・ネットの田鎖郁男専務は、「欧米には百年住宅が数多くあるが、日本の住宅はすぐ壊されてしまう。長く使われ、変えられる家を提供したい」とコラボ事業への思いを語る。