これに対して、同社は花粉をシャットアウトするとともに、形状を一般の眼鏡に限りなく近づけ、「普段使い」できることを目指した。特に第2弾は、前年の第1弾よりすっきりしたデザインながら、花粉カット率が90%から93%に向上。発売早々に4倍の16万本を売り切った。
だが、鈴木さんは、販売好調を喜ぶ社内をよそに危機感を感じていた。
ようやく歯止めがかかりつつあるとはいえ、国内市場は大幅に縮小。自ら価格競争を仕掛け、「眼鏡業界のユニクロ」と呼ばれるJINSといえども安泰ではない。
第2弾が予想以上の人気になり、品切れで買えない人が続出したため、顧客にそっぽを向かれる恐れもあった。一過性の人気に終わらせず、定番商品に育てないといけない-。
「機能性とデザイン性の両立」という基本コンセプトは第2弾で確立済み。残るは、機能とデザインのそれぞれを地道に高めるだけだ。もちろん、たやすいことではないが、新しい仕掛けは用意していた。
ちょうどプロジェクトが始動したのと同じ月、「新しいことにトライしよう」と田中仁社長(51)が発案し、社内にR&D室が置かれた。R&D室からプロジェクトに参加した井上一鷹(かずたか)マネジャー(29)は「研究開発部門を持つのは眼鏡業界で初。組織を作ったこと自体に意義があったし、(第3弾には)R&D室が関わる初の商品という、象徴的な意味があった」と説明する。
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