大手ゼネコン5社の海外受注高【拡大】
2020年東京五輪以降の国内建設市場の縮小を見据え、大手ゼネコンが海外進出を再び強化している。竹中工務店を除く大手4社の13年度の海外受注高(見通し)は前年度比17.0%増の8150億円に達した。ゼネコン各社は過去の苦い経験を糧にし、社内組織再編や現地企業との融合などに乗り出している。
マレーシアの首都クアラルンプール近郊にある山間の地表面から約800メートル直下のトンネル工事現場。直径約5メートルの円筒形掘削機「TBM」がけたたましい音で硬い岩盤を突き破り、総延長約44.6キロの東南アジア最長のトンネルがつながった。
19日、清水建設と西松建設、地元企業のJV(共同企業体)が建設を進めていた導水トンネルの貫通式典。JVの河田孝志建設所長(清水建設)は「培った技術が役に立てた」と笑顔を見せた。大量の湧水や55度を超える岩盤温度による厳しい作業環境などに見舞われながら、日本のゼネコンのリスク対応力を海外に示した瞬間だった。