大手ゼネコン5社の海外受注高【拡大】
技術、提案力に評価
大林組は、インフラ需要の旺盛な東南アジアだけに注力せず、北米、中東を含めた3拠点に経営資源を分散する。価格競争では人件費が相対的に安い中国、韓国の建設会社が有利だが、大林はシンガポールにおける建築工事入札を分析し、「技術力や提案力が評価されて日本のゼネコンが落札しているケースもある」と指摘。3次元の建物モデルを活用し、設計や施工管理、維持管理までの過程や完成した姿をイメージできる技術「BIM」を積極展開し、昨年9月にはシンガポールの大型都市再開発事業受注につなげた。
一方、鹿島は米国での事業で買収した地元企業3社が好業績を牽引(けんいん)する。建設業が成熟産業となっている国では、下請けや地域との関係をゼロから構築することは現実的ではないという考えだ。竹中工務店は、1月にシンガポール・チャンギ国際空港ターミナルの新築工事を受注。国内外で多くの空港建築を受注している強みを生かす。
東京五輪のインフラ整備や東日本大震災の復興需要が一巡すれば、国内市場は縮小に戻るのは確実だ。それまでに海外事業の“独り立ち”が避けられない。「ドバイ」の傷が癒え、海外に再挑戦するゼネコンの人材育成やリスク回避の現場を追った。(鈴木正行)