関西電力の大飯原子力発電所(福井県)で行われていた敷地内の断層調査で、原子力規制委員会は2月12日「活断層ではない」との評価書を了承した。規制委が平成24年11月に初の現地調査を行ってから約1年3カ月。この間、会合の度に“後出しじゃんけん”のように新たな課題を突き付ける委員、対応に人と資金を割かれた関電、規制委内での対立劇…と、関係者の間でさまざまなドラマが繰り広げられた。莫大(ばくだい)な時間と労力と金を使った調査からは、果たして何が得られたのだろうか。
「振り回された」1年余
「非常に難しい判断が迫られるなか、事業者の協力も得て結論にいたった」。2月12日、活断層ではないとした有識者会合の評価書の了承にあたり、規制委の田中俊一委員長はこうコメントした。が、関電にとっては、その一言で片付けられるほど簡単な話ではない。
「あそこまでやらないと(規制委は)認めないのか」。関電幹部はこう憤る。関電にとって、まさに大飯原発の断層調査に振り回された1年だったからだ。