ただ、めぐりんWAONは、ためた「めぐりんマイル」から「ワオンポイント」への交換はできない。1999年に国の景気対策の一環として全国の自治体が発行した「地域振興券」で、その大部分が地元商店街ではなく、大手流通業で使われたからだ。イオンの上山本部長は「自由にポイント交換ができれば、めぐりんマイルが地域通貨としての役割が果たせなくなる」と説明する。
イオンはかつて郊外に大型ショッピングモールを次々と開店させ、「中心市街地の空洞化を招いた」との批判を浴びた。その後、2006年の「まちづくり3法」の改正で、郊外での大型店舗の出店が難しくなったことや、人口の都心回帰が進んでいる。
「めぐりんWAON」は、電子マネーを仲介役として、大手流通業と地域の商店街との共存共栄を図った成功事例ともいえる。進化した電子マネーは流通の新たな世界を切り開こうとしている。(松村信仁)