シエスタの時間帯にオフィスで仮眠をとるヒューゴの従業員ら(同社提供)【拡大】
従業員らに3時間の昼休みを与え、仮眠を推奨する「シエスタ」制度を持つ中小企業が大阪にある。今年で創業10周年を迎えるIT(情報技術)ベンチャーのヒューゴ(大阪市)。日本企業では珍しいこの制度を、同社は平成19年に会社制度として導入した。なんともうらやましいが、日本のビジネス社会にあって仕事に支障は出ないのか。さまざまな疑問を胸に、シエスタ導入の理由をたずねた。
ただいま「休憩中」
「当社はただいま、シエスタ中です。ご連絡は午後4時以降にお願いします」
平日の午後1~4時、同社に電話すると受話器からこんなアナウンスが聞こえる。この時間帯は、ほぼ連絡が取れない状況が続くのだ。
「よく仕事に支障があるのでは、と聞かれますが、あまりデメリットを感じたことはないですよ」
創業者でシエスタ制度導入を決めた中田大輔社長(34)はこう語る。「少人数の環境下で、仕事の効率化、生産性を高めるのが最大の目的」といい、むしろメリットが多いと説明する。