4年に1度のサッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会の開幕まで3カ月を切った。5大会連続出場と日本代表チームが躍進する一方で、ユニホームなどを供給する日本メーカーの存在感は薄れつつある。アシックスなど国内ブランドのスポーツウエアだけでなく、ユニホームに使われる繊維素材についても、東レなど国内合繊大手の名前が消えたのだ。吸湿性や速乾性に優れた機能性繊維は、複数のチームに提供を続けてきた日本の得意分野だが、世界的なスポーツイベントの影で、静かな“地殻変動”が起きている。
奪われた「代表」
昨年11月、千葉県成田市のホテルで、W杯ブラジル大会の日本代表の新ユニホームが初公開された。供給するのは独アディダスだ。
ジャパンブルーを基調に、肩部分には毛筆風の一本線をあしらい、選手らが円陣を組むと一本の赤い輪ができる。意匠を凝らしたデザインだけでなく、素材も斬新だ。新素材「アディゼロ ラ・イト」は、前回モデルに比べて約20%軽量化し、上衣一枚が約90グラムと同社では最軽量の高機能繊維だ。