揺らぐお家芸
1998年の初出場時、W杯の日本代表ユニホームはアシックス製で、素材も複数の国内繊維メーカーのものが採用された。その後、ウエアはアディダス製に変更となり、2002年の日韓大会では東洋紡の素材が使われた。同様に、東レは複数の国の代表ユニホームに素材を提供するなど、高機能繊維は日本の独壇場だった。
だが、日韓W杯後、売上高で2兆円に迫る米ナイキやアディダスはグローバル展開を加速し、潮目が変わった。
「グローバルのメガブランドは、価格と機能、品質のバランスを総合的に勘案し、調達先を中国や台湾に広げている」
帝人コードレの久保勝人社長はこう述べた上で「最近までの円高もあり、価格競争力を失った日本の製造業から離れていった」と指摘する。
実際、今回のW杯で最多の10チームにユニホームを供給するナイキは、日本以外のアジアの繊維メーカーから素材を調達したと明かした。