沖縄電力を除く電力大手9社の今夏の電力需給見通し案が16日、明らかになった。最大需要に対する供給余力を示す「予備率」は、安定供給に最低限必要とされる3%を全社で上回ったものの、関西、九州の両社は他社から電力融通を受けても3.0%ちょうどと綱渡りの状態。全国で稼働原発ゼロのまま夏を迎える可能性があり、経済産業省は数値目標付きの節電要請を行うかどうか慎重に検討する。
需給見通し案は経産省が17日に開く「電力需給検証小委員会」で示される。同案によると、今夏の予備率は北海道が9.2%▽東北が7.5%▽東京が5.5%▽中部が3.5%▽関西が3.0%▽北陸が4.1%▽中国が4.1%▽四国が4.3%▽九州が3.0%。電力融通の実施を前提とし、原発の再稼働は現時点で不透明として織り込んでいない。
一方、電力融通を実施しなかった場合、関西の予備率は1.8%にまで落ち込む見通し。西日本では、電源開発(Jパワー)の松浦火力発電所2号機(長崎県、100万キロワット)でトラブルが起きるなど、供給力に対する懸念が強まっている。
4月中に今夏の需給見通しを盛り込んだ報告書を経産省の有識者委員会が取りまとめ、5月の連休明けに政府が今夏の需給対策を決定する見通し。政府は、経済活動に悪影響を与える数値付き節電目標の設定を昨夏に続いて避けたい考えだが、老朽化した火力発電所頼みが続くなど不安定な電力状況を踏まえて慎重に判断する。