シャープ「けったいな文化」駆逐へ奔走 高橋社長は“ゲリラ訪問” (4/5ページ)

2014.4.30 12:16

全国の事業拠点を回る高橋興三社長。シャープは入社式で役員と新入社員が懇談し、風通しの良い企業風土づくりをアピールした

全国の事業拠点を回る高橋興三社長。シャープは入社式で役員と新入社員が懇談し、風通しの良い企業風土づくりをアピールした【拡大】

  • シャープの企業風土改革に本気の高橋興三社長(左下)。創業者の早川徳次氏(右上)の時代の原点回帰を目指している。
  • シャープの高橋興三社長

 これまで社内文書では肩書きの後にわざわざ「殿」「様」とつけ、「○○部長様」「○○係長殿」と書いてきたが、関係者は「過度に尊敬の意を表すことになり、日本語の使い方としてもおかしい」と廃止した。

 取り組みの背景には、以前は社長の決断や上司の指示には疑問を感じても物言えぬ雰囲気があり、巨額赤字の元凶といわれる液晶事業への大型投資を現場から停止、変更を求める意見や情報が上がってこなかったことへの反省がある。現場の声や情勢の変化を臆することなく経営トップや組織の上層部に報告、連絡、相談できる雰囲気づくりが目的なだけに、相手を過度に敬う習慣をなくすのだ。

 ゾンビと呼ばれた元社長らの今

 企業風土改革への取り組みが進むなか、巨額赤字を招いた経営責任を取って特別顧問や技術顧問に退いた元社長らは表舞台から去りつつある。

 堺工場の建設を表明した当時は会長だった町田勝彦特別顧問は、大阪商工会議所副会頭を3月末で退任した。シャープの特別顧問職については「実質的に何もしていないから」と留任の意向だが、関係者は「すでに無報酬で、会社に顔を出すことがないので影響はない」と指摘する。

当初は海外出張に出かけるなど派手な動きも目立ったが…

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