もうひとり、町田特別顧問の前任社長の辻晴雄特別顧問は昨年末ですべての役職を退いた。辻氏は巨額投資の決断時は相談役に退いており、社内で経営責任を求める声は大きくなかったが、シャープの経営再建のめどが立つのを見届けたとして、高橋社長に退任の意向を伝えたという。
一方、堺工場の建設を社長として決断した片山幹雄技術顧問をめぐっては、社内で「経営責任の追及が不十分」との思いが根強いといわれる。技術顧問に就任した当初は海外出張に出かけるなど派手な動きも目立ったが、最近は、天理工場(奈良県天理市)での後輩技術者の指導に専念しているという。記者の夜回り取材に対し「現役の経営陣に任せているので僕はしゃべらない」と話し、論客の面影はなくなっていた。