事業環境が好転しているとはいえ、主力への育成を目指す中小型液晶パネルを巡る競争は激しく、価格下落や在庫増加などの危険性をはらんでいる。
低空飛行の自己資本比率は昨秋の公募増資などで一時13%に回復したが、3月末に退職給付債務の計上により8・9%にまで下がっている。9月には1千億円に上る社債の償還期限を迎えることもあり、なお予断を許さない綱渡りの経営は続いているのだ。
決算発表の会見で、高橋社長は「1年目の目標が達成できたからといって、3分の1の達成ではない。新たにリセットし、いまゼロからのスタートだ」と訴えた。これは記者の質問に答えた言葉だが、実はシャープ社内に向けられたメッセージなのかもしれない。(松岡達郎)