今治タオルの販売拡大を目指してフェアの準備を進める関係者ら=大阪市浪速区【拡大】
タオルや織物の分類についても、この中国企業が異議を申し立てなければ今回の裁定が確定するが、市は「現地の事情で異議申し立てが行われたかどうかが判明するのは6月中旬以降」と説明。今後も闘争が続くか予断を許さない状況だ。
笑っちゃう厚顔
そもそもの発端は、2009年12月にさかのぼる。タオル製造会社約120社でつくる四国タオル工業組合が「今治タオル」の名称と、ロゴマークの商標登録を中国で出願したところ、拒絶通知を受けたのだ。理由は、上海企業が「今治」の商標などを商標登録をすでに出願していただめだ。
人気アートディレクターの佐藤可士和氏が手掛けた組合のロゴマークも横に90度回転させただけのデザインで出願されていた。組合の木村忠司専務理事は「中国でよくあるパターンというが、こんなことがよくできると笑っちゃう」とあきれ顔だ。ただ、組合はこれまで吸水性や脱毛率などで厳格な基準を設け、品質の高いブランド認定事業を展開しているだけに、認定外のタオルが「今治」として中国で流通することは消費者の信頼低下を招く怖れがある。