気になるFIFA、IOCの懐… 高騰する契約金、分かれる見解

2014.6.18 10:45

 【スポーツi.】いつもは朝が遅いのに、目覚まし時計に頼らなくても、午前4時前後にベッドを抜け出す日々が続いている。サッカーのワールドカップ(W杯)をテレビ観戦するためである。

 日本国内の放映権はNHKと日本民間放送連盟(民放連)で作る「ジャパン・コンソーシアム(JC)」が400億円で獲得、4年前の南アフリカ大会の250億円に比べ、放映権料のアップ率は50%以上を超える、といわれている。

 日本がW杯に初出場した1998年フランス大会は6億円、2002年日韓共催大会は65億円だったというデータがある。

 スポンサー契約高騰

 国際サッカー連盟(FIFA)とともに、スポーツビジネスに関心を寄せる国際オリンピック委員会(IOC)に、大きな動きがあった。

 世界最大手のタイヤメーカー、ブリヂストン(本社・東京)は13日、IOCと最高ランクのスポンサー「ジ・オリンピック・パートナー(TOP)」契約を結んだと発表した。期間は2020年東京五輪を含む夏冬5大会が対象となる24年までの10年間に及ぶ。

 TOPスポンサーは1業種1社で、自社製品に五輪マークを独占的に使用できる。国内の企業では、1988年カルガリー冬季五輪から名を連ねているパナソニックに続き2社目、TOPは11社となった。

 IOC本部があるスイス・ローザンヌから、契約締結のため来日したトーマス・バッハ会長は「東京五輪成功のためにも非常に重要」と笑顔をみせた。ブリヂストンの津谷正明最高経営責任者(CEO)は「グローバルに事業展開するうえで、不可欠な投資だ。双方のブランドイメージの強化につながると確信する」と胸を張った。

 では、TOPスポンサーになるための契約金はいくらなのだろうか。新聞各紙を開くと、数百億円と、あいまいな数字が並ぶ。そのなかで、14日付の毎日新聞は、他紙に比べ、より具体的に書いている。

 「今回の契約金は明らかにされなかったが、IOCのマーケティング資料によると、09~12年の4年間の契約金は1社平均で年間約22億円。金額は年々高騰しており、今回は300億円を超す規模とみられる」

 18年に韓国・平昌で冬季五輪開催が決定しているので、アジア重視の意味合いがあるらしい。22年冬季五輪開催地には北京が立候補を予定している。1年平均30億円以上も先行投資することになる。

 パナソニックは今年2月、TOPスポンサーの契約を24年まで延長した。契約金は公表されていないが、こちらも年間30億円以上と、ソロバンを弾く向きが多い。

 スポーツビジネスに詳しい関係者によると、放映権料、TOPスポンサー契約金とも「もっと高いはず」「いや、意外と安いのでは」と見解が分かれる。第三者が契約書を見たわけではないので推定にすぎない。プロ野球選手の契約更改交渉で、年俸額が報道されるが、あの推定と同じである。

 IOCは五輪を最も価値あるスポーツイベントと自負しているだけに、20年東京五輪の国内放映権の交渉では強気の姿勢で臨んでくるだろう。JCを組むNHKは受信料、民放連はスポンサーCMで資金調達を図る。

 理念に反する声も

 取材者の一人として、正確な数字を知りたいが、確たる裏付けがとれず、隔靴掻痒(かっかそうよう)というか、もどかしい感じがする。残念ながら、力不足を認めざるを得ない。

 オリンピック・ムーブメントの商業化、放映権料の高騰については、近代五輪の提唱者、クーベルタン男爵の理念に反するのでは、との声がある。

 五輪憲章は、第24条で「IOCはテレビ放映権、スポンサーシップ、ライセンシー、オリンピック資産なども含む自らのあらゆる権利の活用、及びオリンピック競技大会の開催から収入を得る」と、うたっている。

 IOCは時代の流れに敏感である。スポーツビジネスの重要性を認め、高邁(こうまい)な理想を追い求めながら、しっかり地に足をつけて、現実を認識しようとしている。(津田俊樹)

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