さらに、高精細で低消費電力の液晶パネル「IGZO(イグゾー)」は、スマートフォン(高機能携帯電話)向けなどへの販売が好調。IGZO技術を応用して円形や波形など自由な形状に設計できる新型ディスプレーも開発しており、将来の成長を支える反転攻勢の芽を育んでいる。
それでも同期の事業部門別評価では、太陽電池やスマホなどの通信システムが最上位の「S」ランク、複写機などが続く「A」ランクに位置付けられる一方、液晶デバイスは「B」ランク、電子デバイスは最低の「D」ランクに甘んじた。事業ごとの評価もスマホなどが「S」ランクになったが、用途別に20以上あるディスプレーやデバイス部門の大半が平均点以下の「B」「C」「D」の落第点に沈んだ。
この社内評価は中期経営計画で掲げた目標の達成度を基準にしたとされるが、「チャレンジングな目標を設定しているのは液晶くらい。残りの事業部門は前期比でほぼ横ばいの目標設定で守りに入っている姿勢が目立つのだが…」との声もある。