シャープで戦犯扱いされる「液晶」部門 黒字転換で緩む内部統制 (3/5ページ)

2014.8.7 06:30

 危機の本質

 あるシャープOBは「確かに、経営危機の主因は液晶パネル事業の不振だが、なぜそうなったかの総括がない。市場動向の分析を度外視したイケイケ戦略や身勝手な商売が墓穴を掘ったことの反省が十分でないから戦犯への懺悔の強要につながるのでは…」と手厳しい。

 シャープは19年、生産規模の拡大で韓国勢とのコスト競争力の勝負に出るため堺市に世界最大級の液晶パネル工場の建設を決断したが、すでに液晶テレビの価格下落は進み、市場も鈍化の兆しをみせていた。これら市場の動向と予測を踏まえ、社内にも世界最大規模の生産能力の工場建設に対し「パネルはきちんと売り切れるのか」と不安視する声はあったが、経営トップは「大型の液晶テレビ需要は増えるはずだ」との見通しを変えることなく、強気の拡大路線を修正することはなかったという。

 そして総額4300億円を投じた世界最大規模の工場の稼働前年の20年にリーマンショックが起きた影響で需要が激減。円高と韓国ウォン安が追い打ちともなり、サムスン電子などとの競争に敗北。液晶パネルの大量の在庫を積み上げる結果を招いた。

当時のトップが経営判断を下す際に、市場動向をきちんと見極めたのか

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。