液晶パネル事業が断罪されていることについて高橋興三社長は「知らない。液晶はごっつい稼いでくれているので、工場に何度も行って『よくやってくれた』と言っている」と話す。しかしトップの知らないところで、液晶パネル事業を戦犯としてスケープゴートにされており、「液晶アレルギーを持って厳しくあたる経営層もいる」(関係者)という。
ただ、材料メーカーや装置メーカーなど取引業者は敏感だ。それは、かつて液晶パネル事業部門への本社からの指示で無理な値下げや突然の納入ストップなど強引な要求を突きつけられてきたからだ。その暗黒時代を知る取引業者は「黒字転換で危機感が緩み、巨額赤字につながった過去の経営との決別の意識も後退したのではないか」と戦々恐々としている。