福岡・天神に展示されたFCVの前で握手する小川洋・福岡県知事(右)と九州経済連合会の麻生泰会長(福岡県提供)【拡大】
燃料電池で起こした電気で走るFCVのほか、家庭やビルの電源としても注目を集めている。FCVは排ガスを出さず、究極のエコカーと呼ばれる。
福岡県を中心とする北部九州は、この燃料電池開発で一歩先を行く。
福岡では平成16年8月、行政や関係企業が中心となって、水素エネルギーの開発・普及を目指す「福岡水素エネルギー戦略会議」を発足した。加えて、九州大は燃料電池の高効率化などの研究で世界のトップをひた走る。
戦略会議の発足後、北部九州には水素関連施設の集積が進む。
北九州市八幡東区東田には、経済産業省が主導して「水素タウン」が誕生した。水素専用のパイプラインを敷設し、燃料電池で住宅やホームセンター、博物館などの電力をまかなうモデル地区だ。実際に住民が生活する国内唯一の実証試験の場となっている。
平成22年には、福岡県の外郭団体が「水素エネルギー製品研究試験センター」を開設した。水素を貯蔵するタンクなど、水素を扱う部品の耐久検査施設で、こちらも国内最大を誇る。
施設集積と関心の高まりを反映し、戦略会議のメンバーは、発足当初の144企業・団体から、現在は717にまで増えた。