福岡・天神に展示されたFCVの前で握手する小川洋・福岡県知事(右)と九州経済連合会の麻生泰会長(福岡県提供)【拡大】
FCV市場へ
水素を巡る国際競争は激化している。
韓国の現代自動車は昨年、FCVのリース販売を始めた。韓国南部の蔚山には昨年、水素タウンも稼働した。福岡水素エネルギー戦略会議によると、北九州市の水素タウンに、以前から韓国の関係者が頻繁に視察に訪れていたという。米カリフォルニア州では、下水汚泥から水素を取り出し、発電する研究施設が運用を始めた。
こうした状況に、国内の産官学も危機感を高める。
日本では自動車メーカーがFCVの、エネルギー業界が供給施設「水素ステーション」の開発・実用化を急いでいた。
ただ、両者の間には溝があった。
「FCVができても、水素ステーションが拡大しないと走れない…」「水素ステーションを展開しても、FCVは普及しないんじゃないか」
互いに模様眺めが続き、開発競争に二の足を踏んでいた。
だが、国際競争の激化を背景に、業界は水素エネルギー開発にアクセルを踏んだ。