目指せ!「水素アイランド」 九州の産学官で取り組み加速 (5/5ページ)

2014.9.7 07:12

福岡・天神に展示されたFCVの前で握手する小川洋・福岡県知事(右)と九州経済連合会の麻生泰会長(福岡県提供)

福岡・天神に展示されたFCVの前で握手する小川洋・福岡県知事(右)と九州経済連合会の麻生泰会長(福岡県提供)【拡大】

 戦略会議の事務局を務める福岡県新産業振興課の大川内洋介氏は「水素関連設備を支える態勢も、九州大を中心に整っており、普及に向けた下地は十分です」と語った。

 行政の公用車を始め、福岡の地場企業で、社用車にFCVを用いる動きもある。

 もちろん課題はある。

 福島第1原発事故で原子炉建屋が水素爆発を起こしたように、水素は濃度が異常に高まれば爆発を起こしやすい。安全性確保の研究は不可欠だ。

 また、現在の技術では水素は原油やLNG(液化天然ガス)など化石燃料から取り出すことになる。空気中に存在する水素を、安価に安定して活用する技術は、いまだ発展途上だといえる。

 福岡市企業誘致課の中村健児課長は「福岡市が指定された国家戦略特区『創業特区』を活用し、水素関連に高い技術を持つベンチャーの起業を後押ししたい」と語った。

【用語解説】水素

 宇宙に最も大量に存在する元素。地球上では水、化石燃料、有機化合物など化合物として存在する。燃焼すると酸素と反応して水になる。元素記号は「H」。

【用語解説】燃料電池

 水素と酸素を反応させ電気エネルギーを取り出す装置。中学校で習う「水の電気分解」の逆の反応を起こす。1965年に米の宇宙船「ジェミニ5号」で初めて使用された。家庭用燃料電池はすでに市販されている。

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