データを基に立体の造形物をつくる「3Dプリンター」を活用したビジネスが盛り上がりをみせている。本人そっくりの立体的なお面やフィギュアといったユーモラスな商品から、医療、住宅分野など多岐にわたって用途が拡大。ただ、装置を使いこなせる人材の不足がネックとなり、産業界に広く浸透していくのはまだこれからのようだ。(板東和正)
リアルに再現
「肌のつや、しわ、目(め)力(ぢから)まで本人そっくりだ…」
大津市のベンチャー企業、REAL-f(リアルエフ)が作った精巧なお面を目にすると、誰もがギョッとする。同社は平成23年11月から、3Dプリンターに独自の転写技術を組み合わせて人の顔を立体的に再現するお面のオーダーメードを受注している。
製作方法は複数あるが、写真から2~3週間で完成させる場合、まず依頼者の写真を3次元化したデータを3Dプリンターで出力し、樹脂で「型」を作る。その型に独自技術で顔写真を転写し、しわやほくろなど細部まで再現。目の部分には透明な樹脂を入れて水晶体を表し、奥行きのある瞳を作り出す。