ソニーの米映画子会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)が北朝鮮を題材にしたコメディー映画「ザ・インタビュー」の公開を中止したことを受け、ソニーの業績への影響が懸念されている。野村証券は18日付のリポートで、2015年3月期の映画事業の営業利益で「数十億円から百億円程度の下振れ要因になると考えられる」と指摘、経営再建を目指す同社にとって新たな“足かせ”にもなりかねない状況だ。
業績への影響について、ソニーは「今のところは何とも言えない」としている。ただ現地での報道によると、映画の制作費は4400万ドル(約52億円)。広告宣伝費もかけられており、投資回収が危ぶまれている。
公開中止の前には、SPEがハッカーからのサイバー攻撃を受けて情報が流出。個人情報が漏れた元社員による集団訴訟の動きもある。野村証券は、ソニーの16年3月期業績にも「訴訟対応やセキュリティー強化などの間接的な費用増が影響を及ぼす可能性もある」としている。