新ドックは月内にも着工し、16年10月の完成を目指す。同社にとっては、新設するドックは2000年に完成した西条工場(愛媛県西条市)以来。投資額は約400億円を予定している。
同社の関係者は「超大型船の商談など世界中からの多様なニーズに柔軟に対応できる生産体制が構築できる。国際競争力に磨きをかけ、顧客の期待に応える船造りを目指す」と意欲満々だ。
この新ドック建設に敏感に反応したのが、韓国の造船メーカーだ。特に今治造船が2万個積みを超える超大型コンテナ船を受注していることに相当の脅威を感じているようだ。韓国経済新聞によると、これまでウルトラマックス級と呼ばれる約1万8000個積み以上の超大型コンテナ船市場は、現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋などが事実上独占してきた。しかし、今後はその市場に今治造船が割って入ることになる。同紙は、韓国の業界関係者のコメントとして「日本が2万個積みを建造すれば、韓国造船業の牙城が揺れる」と紹介している。