こうした再編やコスト改善に向けた改革に加え、「円安で15%は(日本船の)船価が下がった」(市場関係者)ことも加わり、急速に競争力を高めている格好だ。このため、とくに液化天然ガス(LNG)船や超大型コンテナ船など高付加価値分野で日本と直接競合することになる韓国勢は焦りを隠せないでいるわけだ。
今治造船の大型ドック建設を機に、他の国内メーカーも追随する動きが出てくれば、いよいよ韓国勢にとっては脅威。韓国・中央日報電子版によると、サムスン重工の関係者は「日本の造船業の最も大きな弱点は中小型の造船所が多く、今まで建造した船舶の最大サイズが(コンテナ船の場合)1万4000個積みだった」とした上で「超大型ドックの建設で2万個積の建造が可能になれば、いつでも韓国に追いつける」と、かつての「造船大国・日本」の復活に神経をとがらせている。