経営再建中のシャープの企業風土改革が、業績悪化のため岐路に立たされている。高橋興三社長は、経営危機を招いた上意下達の強すぎた社風を「けったいな文化」として決別を宣言。指示待ちでなく、自分で判断して挑戦する社員を増やすことに注力してきたが、あくまで漢方薬的な処方に「やる気になる社員と従来の指示待ち社員の温度差が大きい」(関係者)。主力取引銀行の資本支援を前提に、外科手術といえる3千人規模の希望退職を募集するなどを迫られるいま、強権発動という即効薬を求められる場面が増えそうだ。(松岡達郎)
できること
「3月末まで1台でも多く売りさばけ…」
業績の変調が社内で伝わった昨年末から、シャープの国内営業部隊が奮起し、3月末まで同社のイオンで空気を除菌する「プラズマクラスターイオン発生機」搭載商品の100万台販売を目指すキャンペーンを展開した。
担当先の家電量販店などに足しげく通う「どぶ板営業」で攻勢をかける取り組みだが、平成27年3月期のぎりぎりまで少しでも赤字幅を減らすため自分のやれることを考えた結果だ。