国内外のライバルとの競争激化と価格競争の影響で苦戦する液晶事業は、27年3月期の営業利益の業績予想を550億円から400億円に下方修正。他の赤字事業をカバーしきれなくなったとはいえ、鉛筆やボールペンで文字を入力できる液晶パネルを発表するなど技術開発とともに、新規顧客の開拓などで巻き返す姿勢は崩していないという。
その一方で危機感が薄い幹部や社員もまだ少なくなく、社内全体で共有できていないのが実情という。
赤字に苦しむテレビ事業は、画質などの機能で差別化できなくなり、価格勝負になってからも、ビジネスモデルの転換ができていない。同じく赤字の太陽光パネル事業も再生可能エネルギーによる電力の買い取り制度に依存したまま。買い取り価格の引き下げによる需要減と、海外メーカーの低価格品の攻勢にさらされる構図が続く。リストラには多額の費用がかかるため抜本的な改革に踏み切れなかったという事情もある。「動きたくても動けない。または動き方が分からない人も少なくない」(関係者)という。