ところが昨秋からの業績悪化で再び病気が重くなってしまった。これまでの中期経営計画が頓挫し、主力取引銀行に資本支援を要請を前提とした新しい中期経営計画を練り直すことになった。再び3千人規模の希望退職を募集するなど、さらなる外科手術にも迫られている。
それでも、高橋社長は100年後にもシャープが存続するため社員の心に訴える漢方薬的な手法を重視し続ける。ただ、社員のそれぞれの自主的な判断に任せる高橋流は一方で、昨秋の業績の変調の兆しや円安進行など経営環境の変化への対応の遅れを招いてきたともいえる。
中期経営計画の策定を予定する5月を迎えられるかどうか。高橋社長の判断と力量が問われる正念場だ。