ソフトバンクは従来の半値でADSLサービスに参入。モデムを無料で配り、シェアを伸ばした=2002年10月、東京都渋谷区(同社提供)【拡大】
規制緩和を求めて郵政省に足しげく通ったのが、CATV事業への本格参入を検討していた西村だった。「CATV市場の自由化を模索していたらしい郵政省にとっても、渡りに船だった」という制度改正を機に住商は95年1月、米テレコミュニケーションズ(現リバティー・グローバル)と合弁でJCOMを設立した。
阪神・淡路大震災の翌日、国内が混乱する中で発足したJCOMだが、地域CATV会社を相次ぎ傘下に収め、業界最大手に成長。電話やインターネットへと事業範囲を広げ、12年にはKDDIの連結子会社となった。
KDDIは電力系通信会社に続き、家庭につながる「ラストワンマイル」と呼ばれる通信回線の獲得に走った。しかし、NTTグループの光サービス卸によって、設備投資の優位性が揺らぎ始めているのも事実だ。(敬称略、年齢は現在)