シャープの経営危機をめぐる最近の動き【拡大】
かつてパナソニックはプラズマテレビに集中投資し「液晶のシャープ」と薄型テレビ戦争に火花を散らした。残ったのは液晶だが、日本勢に勝者不在のままパナソニックはプラズマテレビから撤退。ライバルのなりふり構わぬ姿に、このパナソニック幹部は「正直ショック」と打ち明ける。
主力の液晶の生産拡大を目指す巨額投資がリーマン・ショック後の需要減で裏目に出てシャープは2012~13年3月期に計9000億円超の最終赤字を計上。深刻な経営危機を招いたが、主力取引銀行のみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行の支援を受け約3000人の人員削減などの構造改革に取り組み、何とか持ち直した。
13年5月に3年の中期経営計画を発表。翌6月に就任した高橋興三社長は「計画の業績予想は必達目標」と公約し、再建に乗り出した。滑り出しは順調で、液晶事業が中国の新興スマートフォンメーカーの受注を次々と獲得し、14年3月期には予想を上回る営業損益1085億円の黒字(前期は1462億円の赤字)を達成した。