シャープの経営危機をめぐる最近の動き【拡大】
■再建にもう後はない
異変が生じたのは計画が折り返し点を過ぎた昨年10月。液晶事業の国内のライバル、ジャパンディスプレイが中国市場で新技術による価格攻勢で、シャープの得意先から受注を奪った。国内の白物家電や太陽光パネル事業も、海外生産を進めていたため円安で採算を悪化させ、シャープは15年3月期連結決算に再び巨額赤字に沈んだ。
経営計画が頓挫したシャープは、主力行の資本支援を受けるため、その前提となる再建策を3月に提出したが、人員削減などに踏み込んでいなかったため主力行首脳に「全然だめ。やり直し」と突き返された。
主力行にとって、支援の柱となる「債権の株式化」は株価が下落すれば回収できる金額が減るため「株主に債権放棄と言われない妥当性が必要」(金融関係者)だ。とはいえ、追い込みすぎて法的整理の道を選び、不良債権化したり、債権放棄を迫られたりしたら元も子もない。