駆け込み寺的存在
これまでにホームページや口コミでの評判を聞きつけた約120人からラーメン店を経営したいと相談を持ちかけられ、43人が矢田さんのプロジェクトに参加している。参加者の約7割が未経験者で、他の開業支援事業者への不満から訪ねてくる人も多く、さながら“駆け込み寺”のような存在になりつつある。
1年間で開業できるラーメン店は、大手のFCで10カ所程度、他の開業支援会社が関与したケースで数店舗といい、個人で開業支援を行っている矢田さんの実績は突出している。
矢田さんのプロジェクトの特長は、新規出店費用の少なさ。通常、1000万~2000万円程度の初期費用が必要だが、矢田さんのプロジェクト費用は、のれん代とオープンサポート費などで235万円に抑えた。開店後は、麺とスープ、タレを3年間購入することが条件で、ロイヤルティーはかからない。店舗名や味、メニューの指定といったしばりもなく、オーナー独自の店づくりができる。
こうした支援ビジネスの原点は、かつて矢田さんが経営した第1号店舗で、近くのジムに所属するプロボクサーの常連客から「引退して故郷でラーメン店を開きたい。ぜひ教えてほしい」と懇願されたことにある。