この戦略は、矢田さんが2号店を出店した際の経験に基づく。群馬県高崎市の幹線道路沿いの店は小さくて目につかず、周囲の大型店ばかりに客を取られ、わずか2年で累積赤字が2000万円に達し、撤退を強いられた。
店舗存続の最大の決め手となるのは味だ。矢田さんは9年前、都内の大学近くに初の直営店を開設。豚骨をベースに野菜で甘みを加えたしょうゆ味のスープで、麺や野菜を無料で大盛りにした。平日は学生を中心に、行列が途切れない人気店となった。
プロジェクトでは、独自開発のスープを工場から直送。スープの味を安定させるため、店主以外のスタッフにも任せられるようにした。
新規出店から3年の間に廃業する割合は8割とされる。それだけに、矢田さんは開業までだけでなく、その後も3年間支援する。店舗訪問や電話、メールによる相談に応じるほか、メールマガジンで新規メニューのレシピ、多店舗展開のノウハウなども公表している。