プロボクサーが工面できたのは、親類から借金した300万円のみ。初期費用としては少なすぎたが、矢田さんは「やるしかない」と腹をくくった。ボクサーは福島県郡山市に出店したが、味とボリュームで人気を集め、今では2号店を出すほど繁盛している。
この成功をきっかけに、知人らに依頼され、数店の出店を手伝った。13年には、出店ノウハウを体系化して伝授するラーメン店開業支援「新のれん分けプロジェクト」をスタートさせた。
矢田さんが掲げる店舗経営のコンセプトは「失敗しない経営」だ。病気や事故などの想定外のアクシデントに見舞われ、売り上げが通常の3分の1に下がったとしても、赤字にならないような店づくりを目指す。
あえて三等地探し
出店場所では、駅前などの家賃が高い場所ではなく、メーンストリートから外れた“三等地”を探す。経費を抑えるため、居抜き物件を狙うことも考える。矢田さんは(1)地元の人が行き来する生活道路に面している(2)駐車場が確保されている(3)目につきやすい-の3つを条件に挙げ、「地方でも失敗しない」と断言する。