スズキの株主総会で議長を務める鈴木修会長兼社長=26日、静岡県浜松市(大坪玲央撮影)【拡大】
3月期決算の上場企業の株主総会が26日、ピークを迎えた。東京証券取引所の集計によると、この日は全体の41.3%にあたる977社の株主総会が集中。企業統治の強化に向け、外部の目で経営をチェックする社外取締役の導入が加速するなどしているが、今後はこうした改革の「実」をどう挙げるかが問われる。
今回は、1日に東証のコーポレートガバナンス・コード(企業統治原則)が適用開始となってから、初めての株主総会シーズン。それだけに「社外取締役の数や、企業の資本効率を示す株主資本利益率(ROE)に関連した株主の質問が多い」と三菱UFJ信託銀行の中川雅博会社法務コンサルティング室長は語る。
16日のトヨタ自動車の株主総会では、新型の種類株式への株主の関心が高かったこともあり、開催時間は3時間2分と過去最長だった。業績不振や不適切会計問題で揺れる企業の株主総会では、株主から追及の声が上がり、経営陣の説明責任が厳しく問われた。
社外取締役の導入は急速に進んでいる。東証によると、今回の株主総会シーズンを経て社外取締役を選任する東証1部上場企業の比率は、過去最高の92%となる見通しで、昨年から17.7ポイントの大幅上昇だ。ニッセイ基礎研究所の江木聡主任研究員は「『攻めの企業統治』の流れの中、社外取締役本人にも経営センスがより求められる」と話す。
企業統治原則は政府の成長戦略の一環だが、コンサルティング会社のジェイ・ユーラス・アイアールが行ったアンケートでは、海外の機関投資家から「(企業の)変化が外見を繕う以上のものに本当になり得るのか、少々懐疑的だ」との意見もあった。企業と株主が対話を深めていくことも重要になってくる。(森田晶宏)