【郵政上場前夜 巨大企業の行方】(上)
■アベノミクスの試金石
「創業から140年以上を経て新しい一歩を踏み出します」
日本郵政の西室泰三社長はビデオメッセージで、会場内に詰めかけた個人投資家に「新生郵政」を訴えた。日本郵政グループ3社の上場に向けた個人向け合同説明会。株式を引き受ける証券各社は9月18日から今月1日にかけて全国12カ所で開催、計1800人余りが足を運んだ。
個人の関心高く
「ぜひ買いたい。上場を契機に会社が変わる」。東京で9月28日に開かれた説明会に出席した東京都中野区の女性(68)はこう話す。
バブル期だった1987年のNTT上場は株式投資ブームに火を付けたが、その記憶がよみがえる個人投資家も少なくない。埼玉県川口市の無職男性(62)は「(上場後に株価が一時高騰した)NTT株のように、利益を確保して売り抜けるチャンスがあるかも…」と笑う。